医療脱毛における**クーリングオフ制度**は、特定商取引法に基づいて消費者を保護する重要な仕組みです。2017年12月から医療脱毛も特定商取引法の対象となり、一定の条件を満たす場合にクーリングオフが可能となっています。ここでは、医療脱毛でクーリングオフができる条件や手続き、返金の流れについて詳しく解説します。
クーリングオフが適用される条件
医療脱毛でクーリングオフを利用するためには、以下の**3つの条件**をすべて満たす必要があります。
- 契約期間が1カ月以上であること: 医療脱毛の契約期間が1カ月を超える場合が対象となります。回数制のコースであることがほとんどですが、契約書の「提供期間」を必ず確認することが重要です。1回限りの体験プランや1カ月通い放題コースなどは対象外となります。
- 契約金額が5万円以上であること: 総契約金額が50,000円以上の場合にクーリングオフが適用されます。この金額には頭金、消費税、入会金なども含まれて計算されます。仮にクリニック側から「税抜きでは5万円以下だからクーリングオフは受け付けない」と言われた場合、それは違法行為にあたります。
- 契約日を含めて8日以内であること: 契約を交わした日を1日目として数えて、8日以内にクーリングオフの申し込みを行う必要があります。例えば1月1日に契約した場合、1月8日までに書面を発送しなければなりません(当日消印有効)。
クーリングオフの手続き方法
クーリングオフは**書面による申告**が必須となっています。電話やメールでは受け付けられず、郵送による書面での手続きが必要です。重要なのは、8日以内というのは書面の到着日ではなく、**郵便の消印日**が基準となることです。
書面には契約者の氏名、住所、契約年月日、契約内容、クーリングオフの意思表示などを明記し、証拠保全のため内容証明郵便で送付することが推奨されます。
返金の流れと期間
クーリングオフが成立した場合、契約代金は**全額返金**されます。一般的に返金は1週間から1カ月以内に行われますが、万が一返金や連絡がない場合は、コールセンターやお客様相談センター、店舗に直接連絡することが必要です。
中途解約制度について
クーリングオフ期間の8日を過ぎた場合でも、契約期間内であれば**中途解約**が可能です。この場合、決められた解約手数料を支払うことで契約を解除できます。ただし、クーリングオフとは異なり、全額返金とはならず、未消化分から解約手数料を差し引いた金額が返金されます。
注意点とトラブル回避
すべての美容医療サービスでクーリングオフや中途解約ができるわけではありません。契約前には必ず条件を確認し、契約をやめたいと思った場合は、なるべく早めに最寄りの消費生活センターに相談することが重要です。
特に、SNS広告などで「10万円の全身脱毛」と謳いながら、実際にはより高額なコースを勧誘するケースも報告されており、契約時には慎重な判断が求められます。
医療脱毛のクーリングオフ制度は消費者の権利として法的に保護されているため、条件を満たす場合は遠慮なく利用することができる制度です。
結論
医療脱毛でクーリングオフができる条件や手続き、返金の流れについて詳しく解説しました。特定商取引法に基づくクーリングオフ制度を活用するための重要なポイントをご紹介しました。医療脱毛を検討している方は、条件を満たす場合はクーリングオフを利用することができます。ただし、契約前には必ず条件を確認し、契約をやめたいと思った場合は、なるべく早めに最寄りの消費生活センターに相談することが重要です。